匂いがわからない 臭いを感じない
嗅覚障害

原因

神戸市の耳鼻科臭いを感じない・臭いがわからない「嗅覚障害」のイメージ画像
匂い(におい)は、空気にのって移動して鼻の奥の上まで入ってきます。鼻の奥に、匂いを感じるセンサーがあり、そこで匂いを感じています。

まず、原因として大きくふたつに分類すると、 原因1:鼻が詰まっているため匂いがセンサーまで届かない(風邪・慢性副鼻腔炎アレルギー性鼻炎)原因2:臭いを感じるセンサーが弱っている・壊れている場合(ウィルスや外傷加齢による障害)

その他に、この原因1と2が混合している場合や外傷や血液内の亜鉛が不足してなることもあります。
また、頭部外傷や脳外科手術、脳腫瘍、アルツハイマー病、パーキンソン病などで嗅神経に異常が起きると、においがわからなくなることがあります。

「鼻づまり」や「炎症」により、匂いセンサーまで匂いが届かないこと、つまり「原因1」による嗅覚障害が最も多いです。

しかし、嗅覚障害は様々な原因が重なっておこっている場合が多く、それぞれの治療が必要になります。
まずは何故、臭わなくなったのかを検査して、原因が分かればその治療をすることになります。

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嗅覚障害の内容と原因はいろいろあります。嗅覚機能の低下が訴えの大半を占めますが、軽微な悪臭にも耐えられない嗅覚過敏(広義の化学物質過敏症)、本来よいはずのにおいを悪臭と感じる嗅覚錯誤(異臭症)などもあります。

嗅覚器の構造 ではまず『なぜニオイが解るか』について詳しく説明します。

ニオイ物質は気体となって空中に浮かび、鼻の中に吸いこまれ、鼻腔の奥の上あたりにある嗅粘膜に到達すると、電気的な信号に変えられそこからニオイは、電気信号として神経に伝達され(嗅神経)すぐ上の大脳の中の嗅球といわれる部分に伝わり、ニオイとして認識します。

嗅覚機能の低下は、(さきほどはわかりやすく原因を2つに分けましたが)

・呼吸性嗅覚障害
・末梢神経性嗅覚障害
・中枢神経性嗅覚障害 の3つに分けられます。

呼吸性嗅覚障害

鼻中隔の弯曲や術後の粘膜癒着などの鼻腔形態異常や、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に伴う粘膜のはれやポリープにより、におい分子が両側鼻腔で嗅上皮まで到達できないことによります。

末梢神経性嗅覚障害

嗅上皮の障害と嗅糸断裂による場合があり、前者は嗅上皮の萎縮や炎症が原因で感冒などウイルス性のことが多く、後者は頭を打ったことが最も多い原因です。
頭を打った時の嗅覚障害は難治性です。抗腫瘍薬のテガフールの長期投与でも嗅覚は損なわれます。慢性副鼻腔炎や通年性アレルギー性鼻炎は呼吸性嗅覚障害と末梢神経性嗅覚障害の混合型です。

中枢神経性嗅覚障害

頭部の外傷や脳腫瘍、加齢、脳血管障害が要因になります。
なお嗅覚障害が、アルツハイマー病やパーキンソン病の初期症状である場合もあります。

治療方法

原因1:鼻が詰まっているため匂いがセンサーまで届かない(風邪・慢性副鼻腔炎アレルギー性鼻炎)の場合 ステロイドの点鼻薬を使ったり、ビタミン剤や血流を改善する薬を服用する治療を行います。
(ステロイドの点鼻薬はちょっとしたコツがあります。一般の点鼻薬とは違いますので耳鼻科医院、薬局で十分指導を受けてください。)
抗アレルギー薬の服用、副鼻腔炎の治療薬の服用、粘膜の腫れに対する治療、それぞれ疾患にあった、治療と内服も必要です。

原因1以外の嗅覚障害は難治性のことが多いです。漢方薬の併用で改善する場合もあります。

五感のひとつ「におい」。匂いを感じなくなるとやがて食事の味もわからなくなります。大変辛いことです。
「匂いが感じない」と思ったら、できるだけ早く、耳鼻科の受診をおすすめます。

治療の開始が早いほど治りやすい場合が多く、「いずれ治るだろう」と思わないで、1週間以上、症状が続く場合は耳鼻科へご相談することをお勧めします。

※あくまでもホームページ上で紹介できる情報は万全ではありません。
病気や症状には患者様それぞれで異なりますので、できるかぎり専門の医院での診察をしていただくようにお願い致します。