「耳鳴り」について周囲からの音刺激が無いにもかかわらず、
キーン、ジーン、ゴーンなどの雑音が耳や頭の中で鳴っている状態を「耳鳴りがする」あるいは「頭鳴りがする」と表現します。
何故、耳鳴りがするのかは、はっきとりとした原因がつきとめられていません。神経経路に何らかの異常が発生すると考えられており、
殆どの耳鳴りは年齢とともに自覚する生理的なもので、
稀に高血圧や糖尿病などの成人病に付随して発症する場合や、突発性難聴、脳血管の異常、脳腫瘍、聴神経腫瘍など頭の中や聴覚系に異常が生じた場合に発生するものがあります。
もし、耳鳴りや頭鳴りを自覚された場合には、一度耳鼻咽喉科で精密検査を受けることをお薦めします。
耳鳴りの大部分は、耳から脳までの神経経路に何らかの異常状態が発生して発症しますが、
最も多い耳鳴りは蝸牛といわれる「かたつむり」の中にある音をキャッチする細胞の変性により生じるものです。
この場合は、細胞内のイオン動態に異常が発生して自発放電を引き起こして耳鳴りとなる一過性のもので、特に病的なものとはいえません。
しかし普通は、一過性の耳鳴りがあってもあまり気にならないものですが、特に就寝前のような静かな場所で、
より大きく聞こえるようになると、これが苦痛で眠れなくなる場合が生じます。
その結果、睡眠不足が重なり、ますます「不安」「不快」「焦り」といった感情と耳鳴りとが結びつき次第に増幅して、
静かな場所に限らず絶えず耳鳴りに悩まされるような状況となります。