花粉症の症状がでたら
病型および重症度 | くしゃみと鼻水 | |||||
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1日平均くしゃみ・鼻水(鼻漏)回数 | ||||||
0回 | 1〜5回 | 6〜10回 | 11〜20回 | 21回以上 | ||
鼻 づ ま り |
なし | 無症状 | 軽症 | 中等症 | 重症 | 最重症 |
口呼吸なし鼻閉感あり | 軽症 | 軽症 | ||||
鼻閉が強く時々口呼吸あり | 中等症 | 中等症 | ||||
鼻閉が非常に強くほぼ口呼吸 | 重症 | 重症 | ||||
1日中完全につまっている | 最重症 | 最重症 |
花粉症の症状がではじめた初期の段階でご来院をきむ耳鼻咽喉科ではオススメしています。
初期の段階では、鼻粘膜にまだ炎症が進んでません。この時期に治療を開始すると粘膜の炎症の進行を止めることができ、早く鼻の粘膜を正常な状態に戻し花粉症の重症化を防ぐことができます。
花粉症の治療について
きむ耳鼻咽喉科では、セルフケアを行っていただきながら医院での治療を行っていきます。
当医院では、下記の花粉症治療を行っています。
お薬による治療 | 免疫療法 | 手術 | ||||||
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第二世代抗 ヒスタミン薬 | ロイコトリエン拮抗薬 トロンボキサン拮抗薬 | 局所 ステロイド薬 | ステロイド注射 | 漢方薬 | 減感作療法 | レーザー 焼灼手術 | 粘膜凝固 治療 (高周波電気 ラジオ波) | アルゴンプラズマ 凝固法 |
○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ | × |
お薬を使った治療
- 第二世代抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)
花粉症の原因物質であるヒスタミンの働きを抑える内服薬です。 また、マスト細胞(肥満細胞)からヒスタミンなどのアレルギー物質が遊離するのを抑制する作用もあります。 即効性があり花粉症の症状がでている時に使用します。特に「くしゃみ」「鼻水」に効果があります。 眠気・のどの渇きの副作用があります。症状を抑える効果の高い薬は副作用が強く、自動車の運転をする場合は服用に気をつけてください。 - ロイコトリエン拮抗薬・トロンボキサン拮抗薬
鼻づまりに効果がある内服薬。第二世代抗ヒスタミン薬と併用して処方しています。 - 局所ステロイド薬
花粉症の症状がひどい部分に直接作用させる点眼・点鼻薬です。鼻に噴射するタイプは「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」のどの症状にも効果があります。 きむ耳鼻咽喉科では内服薬と組み合わせて処方しています。 - 漢方薬
眠気を出さずに鼻の症状を抑えるのに効果的ですが、体質にあった薬を選択する必要があります。抗ヒスタミン薬との併用で、鼻の症状をより抑えるだけでなく、 覚醒作用がある薬を選択することで、抗ヒスタミンの副作用の眠気の症状を減らせることがあります。
免疫療法(減感作療法)
- 特異的免疫療法(抗原特異的減感作療法)
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治療方法 注射抗原エキスを皮下に注射する治療法です。 治療期間 1週間に2回の注射から初めて、週1回、2週に1回、1月に1回と注射間隔を開けていきます。
効果発現には数ヶ月かかり、少なくとも3年間以上の定期的注射が必要です。その後中止しても効果は数年以上持続するていが多いです。副作用 まれではあるが、全身的アナフィラキシー反応を起こす危険性があります。
高血圧のためβ遮断薬を使用している患者、重症喘息は適応としない。 また喘息合併症例では発作期には行わず、花粉症では原因花粉発散期からは開始しない。妊娠への影響はないが、妊娠中に新たには開始しない。当院では、スギなどの花粉症やハウスダスト(家のホコリ)に対しての免疫療法(減感作療法)を行っています。
免疫療法(減感作療法)とは、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、などのアレルギー症状をおこす原因となる物質(アレルゲン)を薄い濃度から少しづつ注射していき、患者さんの抵抗力を強くしてアレルギー症状を出しにくくする治療法です。
免疫療法(減感作療法)は根治が期待できる治療方法と言われていますが、治療率は60-80%で全員が根治できるというものでは残念ながらありません。舌下免疫療法について
当医院では、スギ花粉症に対する舌下免疫療法を行っています。皮下免疫療法との違いや舌下免疫療法の治療の流れなど詳しい内容は下記のページをご覧ください。
抗IgE抗体製剤治療
重症の花粉症で従来の治療で効果不十分な場合に花粉シーズン中に行える治療(ゾレア®:抗IgE抗体製剤)が2020年より開始されました。非常に高価(薬剤費のみで3割負担で約4500円~7万円)であるため乱用を避けるため使用には以下の制限があります。
- 1.重症もしくは最重症の季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)
- 2.スギ花粉のアレルギ―検査が陽性
- 3.花粉症の従来の治療を1週間以上行い、効果不十分
- 4.12歳以上で、血清中総IgE濃度が30-1500IU/ml、体重が20-150kgの範囲にある
1回目受診時
- 1.問診及び鼻内所見からで重症もしくは最重症のアレルギー性鼻炎の診断
- 2.他院での採血結果がなければ、スギ特異的IgE値、総IgE値を検査(約1週間かかる)
- 3.従来の治療(抗アレルギー薬、点鼻ステロイドなど)開始(1週間以上)
- 1. 採血結果説明
- 2.従来の治療の効果判定、効果不十分であればゾレア®の投与量、投与間隔(2週間もしくは4週間おきに皮下注射)、自己負担額の説明
治療に対する同意が得られれば3回目受診時ゾレア®投与
主な副作用は注射部分の発赤、腫脹ですが、アナフィラキシーを起こす可能性もあります。
高額療養費制度の対象になる場合があり、ご加入の保険組合にご相談ください。
さらに詳しくはノバルティスのHP(https://hajimete-xolair.jp/)でご確認をお願いします。
手術療法
アレルギー性鼻炎の手術加療(鼻粘膜焼灼術)には、レーザー焼灼手術、高周波電気やラジオ波による粘膜凝固治療、アルゴンプラズマ凝固法などがありますが、 当院では粘膜焼灼だけでなく粘膜下凝固も行える高周波メスを採用しております。高周波メスは鼻粘膜と鼻粘膜下の焼灼が可能です。
手術の流れ
- (1)問診
手術希望の方は受診し、手術の適応があるか調べ、手術の利点、欠点などをご説明します。
手術日の予約(できれば平日午前11時頃)を行います。 - (2)手術
手術日は血圧測定、鼻粘膜麻酔(スプレーを行い、薬液を染ませたガーゼで15分間)、また必要に応じて鼻粘膜下に麻酔薬注射(ほとんど痛みなし)を行います。
その後、鼻粘膜焼灼(片側5分程度)を行い、止血確認をします。 - (3)術後の問診
術後経過の確認 手術後、鼻痂皮形成、粘性鼻汁よる鼻閉があります。術 後の鼻内状況の確認を行います。